そめちめとブログと創作放出場

主にオリジナル作品、自分の日記などを載っけていきます。

二章 ①

あの日から2年が過ぎた現在。
18歳になった僕、『ノラム=フラット』は「国際連合警察部隊」という組織に所属していた。
なんでも、かの数百年続いた戦争で崩壊してしまった国際連合を、戦後になって新たに設立するに伴い組織されたらしい。

基本的にすることと言えば、「異能力者」や「魔法使い」の犯罪をひっそりと解決するといったものだ。
拭いきれぬ戦争の余韻が、未だ治安を悪化させ、さらなる混乱を生む。
そんな中で、異能力者や魔法使いの起こす犯罪が徐々に広がっているという。
だが僕らが扱うのは、その中の更に複雑な事情を持った一部の事件だ。

俗に言う裏組織というヤツだろうか。
だが更に裏の暗殺専門組織があるとか、実は権力のある役人が勝手に動かしている…などといった陳腐な噂が流れている辺り、正直ここが専門の裏組織というような自覚はない。

隊員は、というと殆どが「異能力者」か「魔法使い」で構成されており、自由にペアを組んだり一人だったりで任務を行っている。
僕はその中でも異能力者の分類に入っており、異能力者でも魔法使いでもない同年齢の少女とペアを組んでいる。

ちなみに僕の能力は、「投げたり使用した飛び道具や道具を狙った場所に軌道を変える」というもので、僕の相棒である少女―――『ピアニ・D・アース』は「リアー・ドライバー(背後から駆り立てる者)」と呼んでいる。





――さて、あらかた概要を話終えたところで話を現在に戻すとしよう。



時刻は午前10時。
隊員一組に与えられる部屋の一室で、僕は寝ぼけた身体を無理矢理起こす。
「あ~よく寝たっす!」
「…………」
ようやく目覚めた僕とは逆に、同室で朝から熱心に仕事を行う少女――ピアニは、半分呆れたような顔で僕を見下ろしていた。
中分けしたロングの黒髪に、それと対照的な白い肌に緑眼を持つ整った顔立ちの少女。
世間ではこれを「美人」というのだろうが、ペアを組んで長いからなのか、僕としては彼女を全然異性として意識することがないのだが。

ピアニは手帳に書かれたメモを読みつつこちらに視線を送る。
「――ノラム。あのさ、最近思うんだけど…」
「ん?なんすか…」
彼女はまだ寝ぼけた僕にも伝わるように、ゆっくり話始めた。
「……あんた本当に警察っていう自覚あるの…?」
「半分ない」
僕は即答した。
「直球すぎ!そこは嘘でもいいから持ってるって言うべきじゃないの!?」
「しゃあねぇっすよ~僕正直者だから」
「それは嘘ね」
ピアニに即答された。
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相変わらずよく僕のことを知ってるヤツだ。
昔からそうだった。何かにつけて僕だけにに引っ付いてきたりつっかかってくる。
相棒としては頼りになるのだが…ちょっとしつこいかもしれない。
年頃の女の子は何を考えているのかよくわからないものだ。



「まったく…ほら、朝ごはん作っといたわよ」
ピアニはそう言うと2、3個ばかりのおにぎりを差し出してきた。
「…わざわざ作ったんすか?別に僕は買ってきたヤツでも全然構わないっすよ?」
ギクッと固まるピアニ。
「馬鹿ね…お、女の子が男の子に料理を手作りするのは…」
「なるほど!料理にハマったんすね!!」
「は?」
僕の返答にまたも固まるピアニだったが、すぐに何故か諦めたような顔で、
「そ、そう!そうなの!………うん」
ガックリと肩を落としてしまった。
こいつは何がしたかったんだろう…。




しばらくしておにぎりを食べ終えると、携帯用の通信端末にさっそく任務の通達が入っていることに気付いた。
「ピアニ、いつまでしょぼくれてるんすか…」
「うん…」
未だにガックリと肩を落としているピアニは役に立ちそうにないので、一足先に任務の内容を確認する。
「これは…『魔法の国』での姫誘拐事件の犯人の取り調べ…?場所は魔法の国の隣国の『ハルクード』っすか…割と簡単そうっすね」
「うん…」
「早いとこちゃっちゃと終わらせるっすよ」
「うん…」
「本当に大丈夫っすかピアニ?任務行くっすよ?」
「い、淫夢…?」
「任務っす」
完全に使い物にならないと確信した僕は、腕を掴んでピアニを強引に任務へ連れていく事にした。