そめちめとブログと創作放出場

主にオリジナル作品、自分の日記などを載っけていきます。

一章 ①

上空。四方八方に青色が広がっている中で、ポツリと一つ。
黒塗りのボディに透き通った素材の赤い翼。竜の姿を模したような「飛空艇」は、ゆったりと雲の隙間を飛んでいた。
「…おぉ!」
その看板に、一人の少年が立っていた。
特徴的な茶色い帽子とコートにやや長めの黒髪。整った顔立ちに白い肌を持つ彼は、どこか中性的で幼くも妖しい雰囲気を漂わせていた。
『フォル・A・バイムラート』。それが彼の名前である。
飛空艇には彼以外の人物は乗っていないらしく、妙な静けさがあった。
そんな事は気にも止めず、フォルは飛空艇の下に広がっている景色を見ている。そこには、どことなくファンタジーに出てきそうな西洋風の城下町が広がっていた。
『厄災の国』と呼ばれる彼の目的地である。
f:id:sometime1209:20131227211522j:plain
「思った以上にすごいなぁ…まさしくこれが『百聞は一見にしかず』というヤツなのかな?」
ケラケラと笑いながら周囲を見渡す彼の姿は、新しい遊び場を見つけた子供のようにも見える。

そんな彼が一番気になったのは、国の主が住んでいるであろう大きな城だった。
だが気になったのは建物の方ではない。
その城が建っている場所を囲むように、何かのおまじないのためなのか、城も合わせて巨大な魔方陣のようなものが描かれていた。
「珍しいお城だなぁ……ククク、…やっぱり新しいものを見て刺激を感じるのは人生に必要不可欠なんだね。」
フォルはそう言ってニヤリと口元を歪ませると、そのまま飛空艇を城下町の方向へ向けた。そしてそのまま着陸体制に入り、着陸場所を探すのだった。