そめちめとブログと創作放出場

主にオリジナル作品、自分の日記などを載っけていきます。

一章 プロローグ

力を欲する者は己の力の無さを嘆く。力のある者は己の力の恐ろしさを嘆く。
力の恐ろしさを知った人々は彼を恐れた。また力を持ってしまった人間は己の悲劇を嘆いた。
いつ手に入れたのか。
どこで手に入れたのか。
なんのために手に入れたのか。
彼は全く覚えていない。家族も友達も思い出も覚えていない。
ただ彼が知っているのは、自分が異形の存在であること。そして自分が人を信用できなくなっていることである。

人は皆平等と言っておきながら、肝心な所で目を背ける。
彼の関わった人間もそうだった。
彼が何かを守ろうとその力を使えば、誰かがその力を恐れ「化物」や「悪魔」などと蔑んだ。

そのうち彼は大切な人も、守りたいものも、力の使い方すら忘れていった。

――信じれるのは自分だけ。
彼はその言葉を信じ、そして何もかも捨てた彼はいつしか、人を避けるように力を使うことを抑えていた。
守る力を持っているだけでは意味などない。得体の知れない力は、信頼を簡単に打ち崩す。鎖のように固い絆などないのだ。
彼はそれを痛いほど理解していた。



しかし、彼はある少女と出逢うことで大きく変わり始める事になる。

これは、その出逢いの物語。